「専門業務型裁量労働制に関する協定」の失効問題についての組合見解

2015-06-03

2015年6月3日

「専門業務型裁量労働制に関する協定」の失効問題について

 

静岡大学教職員組合執行委員会

 

先月26日、事務局長名で、静岡キャンパスと浜松キャンパスの教職員過半数代表に対して、「平成27年4月1日からを協定期間とする新たな労使協定を締結したい」ので「平成27年6月5日までに大学事務局に」提出するよう通知がありました。上記協定が3月末に期限切れとなったにもかかわらず、教職員組合に対して何の連絡もなく、突然4月1日を締結日とする協定書にサインして送れという過半数代表に対する依頼に驚くとともに、そこに下記の到底看過できない問題があると考え、27日に緊急の団体交渉を申し入れました。昨日、団体交渉に向けての事務折衝を行いましたので、現時点での教職員組合執行部の見解をお伝えします。

1.当協定は、教員の労働条件にかかわる最も基本的な、就業規則に優先する労使協定です。適用者の所定労働日の労働については「みなし労働」とする一方で、休日または深夜の労働は大学の許可を必要としますが(第7条)、みなし労働とはみなされないゆえに時間外労働に対する割増賃金を払うこと(第8条)とされています。しかし、入試業務などの休日出勤については、現在、就業規則に基づき「休日の振替え」を行うこととされ、休日の時間外労働に対する割増賃金どころか代休さえ取得できない現状となっています。また、先日の工学部の職場懇談会でも指摘されましたが、「業務管理報告書」が実態に合った書式になっておらず、かつ正確に記入しようとすると訂正を求められたという事例が発生しています。他大学の協定では、入試業務や論文審査業務はみなし労働の対象外とする(九州大)や休日出勤については割増賃金が支払われる代休取得を認めている(名大)事例があります。また具体的な苦情処理についての記述もありません。このような重大な不備がある実態に鑑みれば、当然、協定の更新については労使間で話し合うべき問題です。にもかかわらず、更新時期が迫っている事実の通知もなされず、協議の場も提供されないまま、現時点で4月に遡って過半数代表にサインしろという依頼を一片の通知で行おうとすることは、裁量労働制改善の交渉の権利を教職員組合から奪う対応と言わざるを得ません。

2.上記の大学当局の対応は、2004年に締結された「労使関係の基本に関する労働協約」「組合活動に関する労働協約」「団体交渉に関する労働協約」に違反する行為です。例えば、「団体交渉に関する労働協約」の8条では「組合員の雇用・労働条件に甚大な影響を及ぼす事項については、あらかじめ教職員組合との団体交渉等に努めるものとする」とあります。さらに、今回は、過半数代表にすら、協定の期限切れについては明確な通知がなかったばかりか、更新に向けての意見聴取すらありませんでした。教員の労働条件にかかわる重要な問題について、「過半数代表からサインさえもらえれば良い、組合と協議する必要はない」という認識ばかりか、期限を遡ってあたかも4月1日に締結したかのような協定を「偽造」すればよいという認識を大学当局が持っているのであれば、これは断固として是正されなければなりません。

3.3月末に期限切れとなった協定を、現時点においてあたかも4月1日に締結したかのような協定文書を作成することは、「偽造」とも言うべき違法な行為と考えています。この点について、静岡労働基準監督署に確認したところ、監督署としては、大学と組合(過半数代表)が締結したものを受取る立場であるが、 ①現時点で4月にさかのぼって締結するということはあってはならない、②4月と5月は協定なしで推移したという事実に基づいて労使間で協議してもらうしかない、とのことでした。また組合顧問弁護士に確認したところ、同様の見解であり、4月1日に遡った協定書を結ぶ必要性(義務)は全くないし、そこで損害が発生しているのであれば請求すべきとのことでした。

4.現実として4月と5月は教員が協定なしで労働したわけですから、通常の労働形態として所定労働時間を超えて労働を行った場合は、残業手当が当然発生していることになります。本来であれば、協定が期限切れとなった時点で、時間外労働の時間管理を大学当局が行うべきものであり、その事実を全く知らされていなかった教員側が、正確な残業時間の証明責任(エビデンスの提出)を求められる問題ではないと考えます。残業時間がしっかり把握できる方のみならず、そうでない教員に対しても一定の残業手当を支給すべき問題だと考えます。

現在、教職員組合としては、①裁量労働制に関する協定の不備を是正する、②協定が期限切れのもとで発生している残業に対する補償を求める、ことを目的に団体交渉を行っていく予定です。ちょうど定期大会とともに支部総会も開催されますので、皆さんの忌憚のない意見をお寄せ下さい。また協定の失効期間が延びることも考えられますので、勤務管理等の点でご協力をお願いします。

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