国歌斉唱問題に関する教職員組合執行部の声明

2015-06-03

下記声明を、6月2日に学長に届けさせていただきました。

 

2015年6月2日

私たちは国歌斉唱の強制に反対します

 

静岡大学教職員組合執行部

 

本年4月9日の参議院予算委員会で、松沢成文議員(次世代の党)が行った国立大学の入学式・卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱の実施率が低い現状に対しての政府の対応を問う質問に対して、安倍首相は「税金によって賄われているということを鑑みれば新教育基本法の方針にのっとって正しく実施されるべき」と答弁した。さらに下村文部科学大臣も「各大学で適切な対応が取られるよう要請していきたい」と答弁したことから、社会的に大きな関心を呼んでいます。日本経済新聞社説「自主・自立あっての大学だ」(4月14日)や朝日新聞社説「大学への不当な介入だ」(4月11日)はじめ多くの新聞が大学の自治にそぐわない要請だとして懸念を表明しています。

文科省の資料によれば、86国立大学中、平成26年度卒業式で国旗掲揚が74大学、国歌斉唱が14大学実施しています。平成27年度入学式ではそれぞれ74大学、15大学実施となっています。東京大学、名古屋大学、京都大学、九州大学など10大学が国旗掲揚と国歌斉唱のどちらも実施していない一方で、千葉大学、新潟大学、浜松医科大学など11大学が両方とも実施しています。静岡大学は、多くの大学と同様に国旗掲揚のみで国歌斉唱は実施していません。今回の松沢質問は、とりわけ国歌斉唱の実施率の低さに焦点を当てたものと言えます。

国旗と国歌は、国家統合のシンボルとしてそれぞれの国で大きな役割を果たしており、それを私たちは否定するものではありません。しかし、日本では戦前の国旗・国歌が継承されたために大きな争点となって来ました。そういう現実の下で、「税金によって賄われている」からとして予算誘導を背景とした国旗・国歌の強制は、大学の自治を侵害し、様々な国から静岡大学で学んでいる学生の思想信条の自由を損なうものと言わざるを得ません。税金で賄われている機関は国の方針に従うのが当然という論理がまかり通れば、大学における教育と研究の自由が根本から破壊され、自由な発想に基づく創造的な学問の営みが否定されていくことになります。国策から自立した自由な真理探究の営みの放棄は、日本社会の発展と日本国民の幸福に奉仕するための国立大学の役割を捨て去ることにつながりかねません。

静岡大学では、学内での議論を踏まえて万国旗の一つとして国旗を掲揚することで、むしろグローバルな大学を象徴するものとして来ました。国歌斉唱についても深い議論が必要だと考えます。静岡大学が、国の予算圧力等に屈することなく、大学の自治並びに学問と研究の平和的発展擁護の立場から、毅然とした態度を取られることを要請するものです。

 

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