安保法制反対の有志行動と全大教声明(6月12日)

2015-07-14

本日(7月14日)朝、組合員でもある憲法学者の笹沼氏から「明日にも国会で強行採決されようとしている!今日の昼休みにでも緊急に学生に訴えたい!」との電話がありました。静大教職員組合としては対応が未定ですので、有志で宣伝しようということで声をかけたところ10名ちょっとの参加で、「憲法学者のアピール」と「安保法制に反対する研究者の会のチラシ」の2種類を配布することができました。また計3名の教員がハンドマイクで学生に訴えました。日米同盟の評価、集団的自衛権の是非はともかく、一内閣の解釈変更や、これ程ずさんな安保法制の内容や討議で、本当に憲法否定にも等しい暴挙を強行採決で衆院を通して良いのか?大学人の良識が問われる事態でもあります。ご紹介が遅れましたが、全大教の声明と合わせてお届けします。

図書館下宣伝2

(声明)憲法第9 条の精神を遵守し非軍事の国際貢献に徹しよう~安倍内閣の憲法第9 条解釈改憲と「平和安全法制」に反対する~

全国大学高専教職員組合中央執行委員会
2015 年6 月12 日

2015 年5 月14 日、政府は「平和安全法制」と称する一連の法案(自衛隊法、国際平和協力法、周辺事態法など10 本の法律の改正法案と、国際平和支援法案)を閣議決定し、開会中の第189 通常国会にこれらが一括して上程され、審議が進められている。この一連の法案は、昨年7 月1 日の閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」において「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」の武力行使(国際法上「集団的自衛権の行使」とされるものを含む)が憲法上可能であるとの憲法解釈の変更を宣言したことを基礎として、自衛隊の任務の範囲や防衛出動の要件の拡充、米軍その他外国軍隊の活動に対する支援行動の範囲の拡大など、「我が国及び国際社会の平和と安全」を理由に政府が執りうる措置の範囲と権限を広範囲かつ大幅に拡げるものである。
こうした政府のやり方と集団的自衛権の行使を法制化する動きについて、6 月3 日に172名の憲法研究者の連名で、「安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」が発せられ、また6 月4 日には衆議院の憲法審査会において参考人である3 名の憲法学者が全員、集団的自衛権行使の法制整備は憲法違反であると見解を示した。この問題で重大なのは、政府・与党が、近代国家の根幹である立憲主義そのものを否定し、憲法第9 条の解釈に関する政府の見解の一方的な変更と、変更された解釈に基づく立法措置によって現行憲法の根本原理の一つである平和主義を完全に変更してしまおうとしていることである。こうしたやり方で国家の最重要の事柄に関する変更を、国民的な議論に付すこともなく、政府の勝手な見解と国会の多数をもって押し通すことは許されない。
その上で、現在の国際情勢の中で、日本が果たすべき役割とその方法について、国民的議論を行うことは必要なことである。その際に考慮すべき最重要のものは、第二次世界大戦後の国際秩序の中で日本が果たしてきた役割についての自己認識と他国からの評価であろう。戦後、日本国民は日本国憲法を制定して平和主義を宣言し、そのもとで国際社会に復帰し参加してきた。憲法第9 条は、その解釈について見解の相違はあったが、政府は、軍事力の保有と行使は専守防衛のための必要最小限度かつ個別的自衛権の範囲でしか認められないという立場を取ってきた。

憲法第9 条は、憲法前文とあいまって、第二次世界大戦における日本の責任の自覚に基づき、平和主義を掲げて再び国際社会の一員として歩み出すにあたっての誓いであった。この憲法第9 条が、日本の軍備増強や海外派兵に関する抑えとして働き、自衛隊は、海外において武器を使用せず、戦闘行為を行うことはなかった。今回の「平和安全法制」は、このような平和主義と武力不使用についての戦後日本の国民的合意と、それによって培われた国際的信用を毀損する動きといえる。こうした法整備が進み、時の内閣、それもその一部である国家安全保障会議の決定に基づいて「後方支援活動」などの外国軍隊との共同作戦が実施できるようになれば、戦闘行為に巻き込まれるおそれどころか、相手方の「防衛」のための戦闘行為を生じせしめ、戦火を招く主役になるおそれさえ十分にある。
安倍内閣が発足した後、従来の武器輸出三原則を変更し、また大学等における軍事研究を促進する動きが加速している。こうしたこと全体を見るとき、日本という国が、軍事大国への道を歩みだし、周辺国を始めとする世界に、脅威の一つと受け取られるようになる方向性が見て取れるし、政府が、今回の「法整備」で抑止力が高まると言っていることは、まさにこのことを示している。いまこそ、今後の日本が国際社会の中で目指すもの、占めるべき位置、果たすべき役割について、国民全体の十分な議論が必要である。
全大教は、日本は、国際紛争の解決手段としての軍事力行使を認めず、非軍事の国際支援によって、戦争・紛争の未然防止、解決を目指す国であることを、改めて高らかに謳うべきであると考える。そうすることによって、国際的な信用は一段と高まり、独自の、名誉ある地位が得られ、そのことは国際社会の平和の好循環に資するであろうし、日本の国民の安全にも大きく寄与するであろう。そのためにも、日本国憲法の平和主義を端的に示している第9 条の遵守と、その精神を具体的な政策と外交に活かしていくことを政府、国会に求めるとともに、すべての国民とともに全大教がそのために力を尽くすことを表明する。

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