振替休日と代休の違いについて 書記長のつぶやき

2015-06-17

既報の通り、静岡大学では現在 「専門業務型裁量労働制に関する労使協定」が失効状態となっています。個々人に残業手当請求の権利が発生しているであろう失効期間の取扱いや新たな労使協定の締結に向けて、現在、事務折衝2回(6月2日と16日)と団体交渉1回(6月9日)を行っています。その内容については、現在進行形ですので後日の正式の報告に譲りますが、この間のやり取りで、裁量労働の対象外である入試業務等による休日出勤が、労使協定上の根拠もなく、かつ労働基準法にも「違反」するような形で、画一的に振替休日として処理されて来たのではないかという「疑い」が浮かび上がって来ました。

労使協定の第8条では「休日または深夜に労働した場合は、国立大学法人静岡大学教職員給与規程により割増賃金を支払う」とあります。給与規程では、法定休日における時間外労働は35%割増、法定外休日の時間外労働は25%割増の賃金が支払われることが定められています。ところが現実には、大学からは「休日の振替を行います」の通達で、休日出勤は一律に振替休日として処理されています。振替休日の場合は、割増賃金を支払う必要がありません。しかし、労使協定には振替休日を行うとの定めはどこにもありません。

「教職員就業規則」では休日については、「教職員労働時間等に関する規程」によるとあります。その規定では、9条で「業務の必要上勤務を命じる場合には、原則として事前に予告して前条の休日を他の日に振り替えることがある」と定められています。就業規則上の振替え休日の根拠はこの条文のみです。しかし、通常、労使協定は就業規則に優先される労使間の約束事とされています。労使協定上に根拠がない処理を、就業規則を根拠に一方的に行うことは、労使協定に違背する行為と言えます。

ところで労働基準監督署の説明では、「振替休日は、・・事前に4週4日の休日を確保した上で振替日を特定し、遅くとも出勤となる前日までに本人に通知することが必要です」とあります。つまり、振替日を事前に特定して通知することが必要なのです。振替日を事前に特定せず、事後的に休んだ場合は代休となります。この場合は割増賃金の支払いが必要となります。事前に振替休日を取って欲しいと依頼された場合でも、事前に特定できず事後的に特定した場合はどうなるのか?を静岡労働基準監督署に確認したところ「それは代休である」との回答でした。教職員組合の顧問弁護士である静岡第1法律事務所も同意見でした。職場の労働実態として、休日に出勤したからと言って他の日に休む日を確保することは極めて困難です。そのため、ほとんどの休日出勤者は、事前に振替休日を特定することができないし、事後的にも休めないままというのが実態と言えます。実態は代休であるのに振替休日として処理することは労働基準法に違反することになります。この場合の未払い賃金は2年間に遡って請求できます。

本来であれば、労使協定の条文通り、時間外労働に対する割増賃金が支払われるべきところを、振替休日を画一的に「強制」することで、労使協定と労働基準法に二重に「違反」する状態が続いてきた疑いが濃厚となって来たのです。労使協定の不備を是正し、かつ不適切な処理の慣行を正すことが、労使協定の更新に当たっての最低限の前提条件ではないかというのが、現在の私の認識です。  上記文は、書記長個人の雑感です。

静岡大学教職員組合書記長  鳥畑  与一

カテゴリー: コラム 

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